Project/Area Number |
07780747
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
神経・脳内生理学
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
中村 健 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (50227906)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 脳虚血 / 海馬スライス / 細胞内カルシウム / 蛍光カルシウム指示薬 / 膜電位感受性色素 / 光学的測定 |
Research Abstract |
海馬スライスin vitro脳虚血モデルにおいて虚血負荷をかけた場合に生じる細胞内カルシウム濃度上昇と膜電位変動を光学的に測定した。 1.細胞内カルシウム濃度測定に関して以下の成果が得られた。(1)紫外線透過性の良い低倍の対物レンズを用いることによりマクロイメージング法の簡素化に成功し、定量的測定を可能にした。(2)親和性の異なる複数のカルシウム指示薬により、CA1領域における特異的上昇を明確化した。この上昇はμMオーダーにもおよぶ非常に高いものであった。(3)組織染色法との組み合わせにより、神経細胞の存在様式と細胞内カルシウム濃度上昇の範囲との一致を明らかにし、神経細胞におけるカルシウム上昇であることの証左を得た。(4)虚血時の細胞内カルシウム濃度上昇のメカニズムの一部を明らかにした。すなわち、虚血負荷時の生じる急峻なカルシウム上昇と正常溶液灌流後にも持続するカルシウム上昇が、細胞外からのカルシウム流入によるものであることが明らかになった。(5)脳のエネルギー代謝が、好気的代謝よりも嫌気的代謝に大きく依存していることを明らかにした。 2.膜電位変動に関して以下の成果が得られた。(1)膜電位感受性色素の染色法の改良と光学系部品の最適化により信号/雑音比が改善された。(2)脳虚血負荷により、CA1領域における神経伝達が障害されることを明らかにした。(3)膜興奮性自体よりもシナプス部における神経伝達の方が、障害を受ける閾値の低いことを明らかにした。(4)正常溶液再灌流後に神経伝達機能の回復可能な虚血負荷時間はグルコース供給により著明に延長し、神経伝達機能の維持が酸素供給よりもグルコース供給に大きく依存していることを明らかにした。
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