Research Abstract |
体内埋込み型モータ駆動人工心臓用ボールベアリングの開発 体内という100%飽和水蒸気状態の環境下,途中潤滑油を補給することなく2年間連続稼働することを目的に,体内埋込み型モータ駆動人工心臓用PTFE(Poly-Tetra-Fluoro-Ethylene)コーティングボールベアリングの開発を行った.ベアリングを構成する転動体,内輪,外輪,保持器をステンレススチール鋼で制作後,内輪,外輪,保持器の転動体接触面をPTFEでコーティングし(厚み5〜10μm),さらにベアリング内部への異物の侵入防止のためニトリルゴムでシールを施した.現在その耐久性について検討を行っている. 体内埋込み型小型高性能駆動制御システムの開発 体内埋め込み可能な小型・高性能,さらに低消費電力のモータ駆動補助人工心臓用駆動制御システムの開発を行った.駆動制御システムは16ビットと8ビットの2つの1チップマイクロコンピュータを中心に,モータ駆動人工心臓の駆動に必要なデジタル論理演算用に設計・作成したPLD,小型power-FET module,体外のホストコンピュータとの通信用インターフェイス部からなる.この制御システムの基板の大きさは64mm×64mm,パッケージに要するケースの体積は約120cc,消費電力1.1Wと,体内埋め込み可能な大きさで,低消費電力,かつ高性能の機能を有する駆動制御システムを実現できた. 体内補助二次電池の検討 体内埋込み型人工心臓用の体内埋め込み型バックアップ電池として,ニッケル-水素電池を体内に埋め込んでの使用した場合の電池の充放電特性について基礎的検討を行った.その結果,放電時間(電池容量)は室温下での放電と変わりがないこと,また電池充電時の満充電の目安には,充電時の電池表面温度の時間微分値の変化の方が電池端子電圧の変化より適していることが分かった.
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