Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究では,培養骨芽細胞により得られる石灰化物の形成を力学的刺激によりコントロールし,それを骨充填材として応用することを目的としている.本科学研究費交付期間においては,培養デイッシュ上に異なる力学的刺激量の分布させることにより,骨芽細胞が形成する石灰化物の分布をコントロールすることが可能かどうかを検討した. 力学的刺激装置として,培養ディッシュ(φ35mm)底面下に取り付けたピエゾセラミックス(φ15mm,以下PZT)により培養細胞へ任意の形態の力学的刺激を与えることのできる装置を自作した.今回は力学的刺激としてランニングやジャンプ時に生じる瞬間的な荷重負荷に着目し,パルス状の振動負荷(2Hz)をPZTにより培養骨芽細胞へ与えた.力学的刺激装置により生じる周期的なパルス振動負荷は,培養ディッシュ底面上にピークひずみの分布を形成する.実験では,このピークひずみ分布と培養骨芽細胞の増殖分布および石灰化物形成分布を比較検討した.培養3日目における細胞増殖数を比較すると,ピークにずみの値が大きいPZT直上(約53μ)や,逆に値の小さいPZTから離れたディッシュ表面(約27μ)では無負荷で培養した細胞よりも増殖数が少なく,PZT端部付近におけるピークひずみ領域(約39μ)において最も細胞増殖が高まった.また培養14日目におけるvon Kossa染色の結果では,無負荷ディッシュにおいては石灰化物が均一に分布していたのに対し,パルス振動負荷ディッシュでは,ピークひずみの大きいPZT上で石灰化物の形成密度が低く,その周辺において石灰化物の密度が高かいことがわかった.以上の結果より,培養骨芽細胞の増殖や石灰化物形成の促進や抑制に関係するピークひずみ量が存在することが示された.今後,この関係を定量的に明らかにすることにより,本手法による培養ディッシュ底面上での石灰化物形成コントロールが十分可能であると考えられた.
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