Project/Area Number |
07801020
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育・社会系心理学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉万 俊夫 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (10135642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢守 克也 奈良大学, 社会学部, 助教授 (80231679)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 共同主観性 / グループ・ダイナミックス / 乳児 / 乳児院 / 身体論 / 自然災害 / 社会的表象 / 会話分析 |
Research Abstract |
共同主観性の発生基盤を、グループ・ダイナミックスの立場から、実証的に検討するとともに、その理論モデルを構成することを試みた。 第1に、発達的に言語獲得以前の段階における、共同主観性の発生基盤を検討した。具体的には、乳児院において、生後1年までの乳児と養育者(保母たち)の相互作用を参加観察し、その特徴を、一般家庭における母子間の相互作用との比較を通じて、明らかにした。その結果、(1)抱かれた乳児が抱く養育者と微笑みあう、(1)乳児がおもちゃで遊ぶ場合にも、しばしば養育者の介入を求める、(3)可愛いぬいぐるみと遊ぶのを好む、といった一般家庭では自然に現れる現象が、乳児院では観察されないこと、すなわち、乳児院においては、(1)自ら保母に抱かれているにもかかわらず、他の乳児をあやす他の保母に微笑みかける、(2)かたわらの保母に気づかぬかのように、黙々としたおもちゃ遊びが長時間継続する、(3)ぬいぐるみに恐怖反応を示す、といった傾向が頻繁に観察された。この観察結果は、一般家庭の乳児において自明視さえされている反応も、実は、乳児と養育者の濃密な相互作用に基づいて形成される超越性(共同主観性の基盤)を必須条件とすることを示唆している。本研究では、この観察結果を、社会学的身体論を援用することによって、理論化を試みた。 第2に、成人を対象として、言語を通じた共同主観性の形成を検討した。具体的には、1982年に発生した長崎大水害という事象が、日常の会話を通じて、どのように現象化されていったかを、現地における立場を異にする人々の会話データ収集することによって解明した。その結果、同一の災害が、命題的事態として形象化されるケース、知覚判断的事象として形象化されるケース、命題的事態として形象化されつつも、それが、その後の災害事例によって、常に、更新されるケース、等が分類された。いわゆる「災害体験の風化」として一括される時間的プロセスも、これらのケースのいずれかが支配的となるかによって、集合的防災意識の持続に大きな違いが生じることが明らかになった。
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