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差別的表現はどこまで規制されるべきか?-現代社会における自由と平等の境界をめぐって-

Research Project

Project/Area Number 07802001
Research Category

Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)

Allocation TypeSingle-year Grants
Research Field Fundamental law
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

長谷川 晃  北海道大学, 法学部, 教授 (90164813)

Project Period (FY) 1995
Project Status Completed (Fiscal Year 1995)
Budget Amount *help
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1995: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Keywords自由 / 平等 / 表現の自由 / 差別的表現
Research Abstract

本研究の目的は、いわゆる差別的表現に対する法的規制の条件ないしは限界を明確にすることを直接の課題としながら、さらにそのことを通じて現代社会における自由と平等との境界についての哲学的考察を深めることにあった。差別的表現の問題は従来の問題図式とは全く異なったところで発生する。この表現の的となる人種や性の相異あるいはハンディキャップなどを有する人々は、社会の中での少数者としてその存在が社会的に十分に認知されてきておらず、多数者たる市民と同等の地位において同等の自由を享受してきたわけではない。彼らにとってまず重要なのは多数者と同じ平等な自由を獲得することであるのに対して、自由な差別的表現は彼らの基本的要求を侵害することになる。従って、差別的表現に関しては、あくまで自由を優先すべきなのかそれともまず平等を保護すべきなのか、またそれはいかなる理由で正当化されるのかといった問題が伏在しているのである。
本研究では、まず差別的表現に関わる日本と米国の具体的ケースについて調査し、それらの問題の性質に応じて整理することを行なった。これらのケースについては、訴訟に持ち込まれているものとそうでないものを一応選り分けながら、議論の焦点を探った。これは前-法的問題と法的問題との位相の相異を明確にし、差別的表現に関わる我々の価値観の基本構造を探るためであったが、そこでは基底的な平等要求と派生的な自由への要求との両立可能性が看取され、そのことから平等要求が自由への要求に先行することが明らかになった。実際、この二つの理念は共に重要な法-政治的価値であるにもかかわらず、各々の価値論的構造が理論的に十分に分析されてきているわけではない。申請者は、以前から行なってきた自由と平等それぞれの要求を人間の活動局面と活動領域とにおける保障の態様という枠組みを用いて統一的な価値構造の内で理解し、二つの理念の対立の構造を理論的に明確にし、自由と平等の規範空間の適正な分配という形で二つの理念の一般的な両立可能性を理論的に明確化した。しかし、以上によって得られた自由と平等との一般理論をもとにしながら、具体的な差別的表現のケースの類型に則して、それらの規制可能性と規制の場合の根拠や条件とを明示しつつ、差別的表現の社会的な許容範囲について一つの見通しを与えることは、なお今後の課題として残った。

Report

(1 results)
  • 1995 Annual Research Report
  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] 長谷川晃: "<公正な市場>の法" 法哲学平報「市場の法哲学」. 6-20 (1995)

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      1995 Annual Research Report
  • [Publications] 長谷川晃: "解釈と法思考" 日本評論社, 208 (1996)

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URL: 

Published: 1995-04-01   Modified: 2016-04-21  

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