Project/Area Number |
07804034
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
百瀬 孝昌 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10200354)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 固体パラ水素 / 高分解能分光 / 分子分光 / メタン / 振動回転 / 炭素クラスター |
Research Abstract |
本研究の目的は、化学的に活性な分子を固体パラ水素内に生成し、その分子とまわりの水素分子との反応過程の途中で生じる分子およびその反応生成物を、高分解能レーザー分光法を用いて研究することにある。本研究では以下の成果を上げることができた。 1)固体パラ水素に生成したメチルラジカル、エチルラジカルの反応 ヨウ化メチルやヨウ化エチルの紫外光照射により生成するメチルラジカル、エチルラジカルの捕捉を試み、その赤外吸収線の観測に成功した。この固体パラ水素中に捕捉したメチルラジカルの変角振動の赤外遷移のレーザー吸収分光をおこなった結果、振動回転線の吸収の線幅が500MHzと、気相のドップラー幅に比べて同程度の線幅が得られることが明らかとなった。これらの不安定分子は、わずかな環境の変化によって拡散を起こし、まわりの水素分子と反応する過程を観測することができた。たとえばヨウ化メチルの光解離において生ずるメチルラジカルは、わずかな温度上昇により、まわりの水素分子と反応してメタン分子が生成されることが明らかとなった。 2)炭素クラスターの反応 炭素棒のレーザー蒸発法により生成する炭素クラスターの捕捉を試み、C3,C5およびC9の赤外吸収の観測に成功した。この炭素クラスターの生成は、水素ガス雰囲気で進行するが、奇数の炭素を持ったクラスターが選択的に生成した。これらの分子は、固体水素内ではかなり束縛されたポテンシャルの中で回転している事が明らかとなった。さらに、わずかな温度上昇により分子数が減少する事が観測され、現在この減少がどのような化学的過程を経て起きているのか明らかにするために、スペクトルの解析を行っている。
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