Project/Area Number |
07805024
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thermal engineering
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
菱田 公一 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (40156592)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 伝熱制御 / 磁性体粒子 / 対流促進 / 磁場 |
Research Abstract |
本研究では、軟磁性体フェライト粒子の磁化の温度依存性を利用し、粒子の挙動を磁場で操作することによって、伝熱面からの熱流束を制御することを目的とした。 実験系には、液体で満たされた矩形容器を、上面から加熱、下面から冷却し、液体中に軟磁性体粒子を添加した系を用いる。磁場を印加し粒子を加熱面に引き寄せると、粒子の温度上昇に伴い、次第に磁力の影響は弱まる。そのため粒子に働く力は、重力や、粒子の運動により生じた、対流による抗力が支配的となり、粒子は逆に冷却面へと移動する。冷却面に近づくにつれて、粒子は磁性を回復するので、再び加熱面へと引き寄せられる。その結果、粒子は同様の運動を繰り返し、粒子、加熱面間の直接接触熱伝導や、粒子の運動が誘起する対流攪拌の支配的な要因となって、伝熱が促進される。印加する磁場の強度と粒子の挙動は密接に関わっているので、磁場の強度を変化させることにより、伝熱を制御することが可能になる。以上のような原理を用いた伝熱制御手法に関し、水およびシリコンオイルの二種類の液体を用いて実験を行い、伝熱の評価、およびメカニズムの検討を行った。 液体に水を用いた場合、粒子は磁力と重力の作用を交互に強く受け、上下運動を行い、粒子、加熱面間の接触熱伝導が支配的な要因となって、伝熱が促進される。また磁場を変化させることにより、単相の熱伝導時と比較して、約6倍まで熱流束を制御できるとの知見を得た。シリコンオイルを用いた場合は、粘性が大きいため、粒子の運動が流体に組織的な循環運動を起こす。この対流は、伝熱促進の要因として寄与し、また粒子の挙動にも影響を与えて、粒子に同様の循環運動を引き起こす。この場合、熱流束は単相時の約10倍まで制御することが可能であった。また、粒子の径や質量混合比が伝熱に及ぼす影響に対する知見により、効果的に伝熱制御を行うための条件が明らかになった。
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