イオン捕捉性フォトクロミック化合物を用いる高感度イオンセンシング
Project/Area Number |
07805075
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業分析化学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 恵一 大阪大学, 工学部, 助教授 (50107140)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | クラウンエーテル / フォトクロミック化合物 / 異性化 / 金属イオン錯形成 / 抽出-光度定量 / リチウムイオン選択性 / 光増幅 |
Research Abstract |
本研究では、クラウン化スピロベンゾピランの選択的な金属イオン錯形成反応に伴う異性化、ならびに光異性化による金属イオン錯形成能変化の分析化学的応用を目指し、高感度のイオンセンシングを検討した。すなわち、クラウン化スピロベンゾピランの選択的なリチウムイオン錯形成と可視吸収スペクトル変化を利用して、リチウムイオン抽出-光度定量の可能性を調べた。 1)クラウン化スピロベンゾピランはアルカリ金属イオン、特に、リチウムイオンとの選択的な錯形成反応により、暗時においてもメロシアニン体へ異性化し,可視吸収スペクトルが顕著に変化する。この現象を利用し、リチウムイオン抽出-光度定量を検討した。種々の濃度のリチウムイオンを含む水溶液からクラウン化スピロベンゾピランを含む1,2-ジクロルエタン溶液による抽出を暗時において行った結果、有機層のメロシアニン体に由来する吸収スペクトルの吸光度が、水相中のリチウムイオン濃度に顕著に依存した。また、ナトリウムイオンの抽出も検討した結果、この抽出-光度定量において明確なリチウムイオンのナトリウムイオンに対する選択性が認められ、本法の実用性が示唆された。 2)予め、紫外光照射によりクラウン化スピロベンゾピランをメロシアニン体へ異性化させ、その後、抽出-光度定量を行うことにより、抽出効率(感度)やリチウムイオン選択性の向上を図った。その結果、紫外光照射を行いながら抽出を行うと、抽出速度が格段に速くなり、短時間抽出における分析感度が向上することが確かめられた。 現在、本系のフローインジェクション系への展開を検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
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