胎生早期に血管内皮細胞に発現し、血管の分化・発生を調節する新しい遺伝子(Del-1)の機能に関する研究
Project/Area Number |
07807074
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
川名 正敏 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (20152978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 健一郎 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70232395)
上田 みどり 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10184938)
日台 智明 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (30266720)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | vasculogenesis / angiogenesis / discoidin |
Research Abstract |
近年内皮細胞と血管新生に関する知見が集積されつつあるが、これらは内皮細胞が増殖・遊走して管腔形成をおこすangiogenesisに関するものであり、血管形成の最も基本的な過程:vasculogenesisの分子機序についてはほとんど知られていない。Vasulogenesisは、胎生期の血管発生において臓側中胚葉に広がる血島の細胞が血球系と内皮細胞に分化してangiogenic clusterを形成し、これがお互いに癒合して管腔を形成する心血管系発生の基本的過程である。 我々は胎生早期の未分化な内皮細胞に発現し血管と心臓の発生を制御すると考えられる遺伝子(Del-1)の単離に成功した。今回我々はdel-1の構造解析により、この遺伝子にコードされる蛋白は3つのEGF domainと2つのdiscoidin domainを持つことを明らかにした。この構造からdel-1は細胞の凝集・付着と増殖双方に関わって内皮細胞の分化を制御する分子と推定される。 Del-1はin situ hybridzationおよび我々が作製した抗Del-1抗体を用いた免疫組織学的検討により、心血管発生早期の内皮細胞、心内膜細胞(特に上皮-間葉形質転換を起こしつつある細胞)で一過性に発現が認められた。 次にdel-1蛋白の機能を検討するため、del-1 cDNAを発現ベクターに組み込み、"Yolk Sac Cell"に導入後ネオマイシンで選択して、del-1過剰発現cell lineを確立した。Yolk Sac Cell Lineは胎生8.5日マウス胎児のyok sac cell(血島の細胞からなる)から接着性の細胞(未分化内皮細胞)を選別して得られたcell lineである。この細胞をMatrigel内で培養して管腔形成:vasculogenesisに対する影響を観察した。 Del-1過剰発現細胞は、コントロールに比べて著明に細胞増殖、管腔形成が抑制されていた。抗Del-1抗体を用いた免疫沈降実験により、Del-1は内皮細胞から分泌され脂肪外マトリックスに結合して内皮細胞の増殖、遊走を制御することが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
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