末梢神経移植による網膜膝状体視覚路の再形成と機能の再発現
Project/Area Number |
07807162
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Ophthalmology
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
渡部 眞三 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生理学部, 主任研究員 (10093486)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 視神経細胞 / 軸索再生 / 末梢神経移植 / シナプス形成 / パターン反転網膜電図 / 細胞内注入 / ネコ |
Research Abstract |
本年度は、26匹のネコで視神経断端と中枢との末梢神経移植による架橋手術を行った。このうち、4匹は100日以内に死亡し、13匹が100日以上生存して実験に使用し、9匹が生存中(軸索再生中)である。100日以上生存していた13匹の内、10例の移植神経端は脳白質内に留まり、網膜視神経細胞(神経節細胞)の生存も確認できなかった。 成功したと思われた3例の移植手術は、2視神経断端と大脳皮質の間を架橋した。移植後135日目にパターン反転網膜電図(PERG)を記録して、網膜神経節細胞の生存を検証したところ、1例のPERG記録においてX細胞の生存が示唆された。このネコで140日目に逆行性標識法による視神経細胞の生存の有無を調べたところ、630個の細胞が標識され、かなりの数の標識細胞がβ(X)細胞と思われる樹上突起形態をしていた。PERG記録で視神経細胞の生存が確認されなかった例では、140日目に標識視神経細胞は13個しか認められなかった。 残りの1例は、視神経断端と一次視覚中枢である外側膝状体の間の架橋を試みた例である。移植後140日目に生存している視神経細胞を逆行性に標識したところ、331個の標識細胞が認められた。これらの細胞の樹状突起形態を蛍光色素の細胞内注入法で調べたところ、α(Y)、β細胞の形態を持つものが大部分であった。 以上の結果から、軸索を再生した視神経の終末が、中枢神経とシナプスを形成することによってかなり長期間(本研究では140日以上)生存できることがわかった。この場合の中枢神経組織は、視覚中枢(外側膝状体、上丘、視覚領)である必要がないことも、新たな知見である。さらにPERG記録が、網膜神経節細胞の生存の有無を評価するのに、ひいては移植手術の正否を判定するのに、大変有効であることも明らかとなった。(PERG記録は大阪大学医学部第二生理学教室で行った。)
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)