Project/Area Number |
07807177
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Conservative dentistry
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Research Institution | 国立予防衛生研究所 |
Principal Investigator |
西原 達次 国立予防衛生研究所, 口腔科学部, 室長 (80192251)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 歯周病原性細菌 / マクロファージ / アポトーシス / 食作用 / in vitro感染実験系 / 歯周ポケット形成機序 / プロテインキナーゼ / DNA断片化 |
Research Abstract |
in vitroの培養系で歯周病原性グラム陰性嫌気性細菌をマウスマクロファージ細胞株に感染させる実験系の確立に成功した。そこで、感染マクロファージにおける細胞致死活性の発現をMTT試薬を持ち多アッセイ法とLDH活性を指標とする測定法で調べた。その結果、数種の歯周病原性細菌のなかで、若年性歯周炎の原因菌と考えられているActinobacillus actinomycetemcomitansが培養マクロファージに致死的に作用することが明らかとなった。A. actinomycetemcomitansがマクロファージに対して致死的に作用する際には、マクロファージ内にA. actinomycetemcomitansが取り込まれることが必須であることが、食作用を阻害する薬剤を用いた実験で確認された。さらに、マクロファージ内のプロテインキナーゼCが、A.actinomycetemcomitansによる致死活性発現に深く関与していることが明らかとなった。次に、A.actinomycetemcomitans感染マクロファージの致死活性発現のメカニズムについてアポトーシスの観点から検討した。A. actinomycetemcomitans感染マクロファージに見られた細胞死は、エンドヌクレアーゼの活性阻害剤であるアウリントリカルボン酸により完全に抑制された。感染マクロファージのDNAの断片化をアガロース電気泳動で解析したところ、アポトーシス特有のDNAの断片化が確認された。さらに、組織化学的手法を用いた病理組織学的観察の結果からも、A.actinomycetemcomitans感染マクロファージに見られた細胞死がアポトーシスによるものであることが支持された。これらの事実から、A.actinomycetemcomitans感染マクロファージに見られた細胞死がアポトーシスにより引き起こされていることが明らかとなった。以上、歯周病の発症と病態の進行において、歯周病原性細菌によるアポトーシス細胞死が重要な役割を果たしている可能性が今回の研究結果から強く示唆された。
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