NOによる海馬からのカテコラミン放出とNO担体としてのL-システイン
Project/Area Number |
07808088
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurochemistry/Neuropharmacology
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村山 俊彦 北海道大学, 薬学部, 助手 (90174317)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 一酸化窒素 / 海馬 / ノルアドレナリン / エクソサイトーシス / cyclic GMP / S-ニトロソシステイン / L-システイン |
Research Abstract |
私達はラット海馬切片からSNPやSNAPなどのNO供与体がノルアドレナリン(NA)放出を促進することを見いだした。得られた新和見は以下の通りである。1)NO供与体は単独では,cGMP含量を増加させたが,NA放出促進作用は示さなかった。また細胞膜を透過するcGMP誘導体DBcGMPはNA放出に関して無効であった。2)NO供与体はジチオトレイトールやシステインの共存下でNA放出作用を示したことから,ニトロソチオール化合物がNOの活性分子であると推定され,実際に分光学的性質からもその生成が認められた。システインに関してはD体よりL体が低濃度で顕著な作用を示した。3)S-ニトロソシステイン(SNC)は単独で顕著なNA放出作用を示した。これらの知見は生体内に存在するアミノ酸であるL-システインがNOの担体として働く可能性を示唆している。また,4)SNCによるNA放出作用は,細胞外Na非依存性であり,ロイシンなどの特定のアミノ酸により競合的に阻害された。5)アミノ酸トランスポーターのうちシステムLの特異的阻害薬2-amino-2-norbornane-carboxylic acid(BCH)によりSNC作用が消失した。6)SNC作用は海馬切片をカルモヂュリン(CaM)阻害薬(W-7やトリフルオペラジン)やCaMキナーゼII阻害薬(KN-62)と前処理しておくことで消失した。これらの知見は,a)NOがシステインと結合しSNCが生成され,細胞内にアミノ酸トタンスポーターを介して取り込まれ,海馬からのNA放出を促進すること,b)その作用機構はcGMPを介さずにCaM-CaMキナーゼIIを介していることを示したものである。現在,CaM蛋白がどのような修飾を受けているのか,この放出機構にGTP結合蛋白が関与する可能性について検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)