Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
大脳基底核の出力部位である黒質網様部の背外側部には口腔顔面運動に関与するニューロン群が存在していることが知られている。この部位から口腔顔面運動核(三叉神経運動核,顔面神経核,舌下神経核)のpremotor neuron pool(三叉神経運動核周囲の網様体や延髄小細胞性網様体)ヘの連絡様式,とくに赤核を介する経路について本研究で解析を行った. まず,逆行性および順行性標識法を組み合わせて光顕的に観察した結果,premotor neuron poolに投射線維を送る赤核ニューロン群と黒質網様部の背外側部からの神経線維終末野との分布領域は赤核の背側部で一致していた.つぎに,premotor neuron poolに投射線維を送る赤核ニューロンと黒質網様部の背外側部からの神経線維終末とが,どのようなシナプス構築を形成しているのかを電顕的に観察した.その結果,黒質線維と赤核ニューロンの細胞体や樹状突起近位部との間には対称性のシナプス結合が存在していた.さらに,赤核に終止する黒質線維がGABA(ガンマアミノ酪酸)陽性であることを,順行性標識法と免疫電顕法とを組み合わせることによって証明した. 以上のように,大脳基底核からの出力は赤核を介して口腔顔面運動核のpremotor neuron poolに影響を与え,口腔顔面領域の運動制御に関わっていることが示唆された.この場合,線条体-黒質投射路もGABA作動性であることから,線条体GABAニューロンの活動によって黒質GABAニューロンは抑制され,その結果として赤核ニューロンは脱抑制されると考察した.
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