Project/Area Number |
07852011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Politics
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
若松 新 早稲田大学, 社会科学部, 助教授 (70220837)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ルクセンブルク / 王制 / 議会外野党 / 国民投票 / 王国 / 小国 / EU / 欧州連合 |
Research Abstract |
本研究の前提として、ルクセンブルクという国家の特質、ルクセンブルクの国民性やその国際感覚を知るために、(欧州における)小国の特異性を解明した。その結果、(欧州において)一定以上の人口を有する国家は独自の言語を持ち、一定以上の面積を有する国家は独自の軍隊を持ち、一定以上のGNPを有する国家は独自の通貨を有する、という結果が判明した。この一定以上の人口、面積、GNPの三者の基準のいずれをもクリア-した小国が、(島国であるマルタと)内陸国のルクセンブルクであった。以下、この考察の中で生まれた、「(大国よりも)小国に利点があるとすれば、それはどの点であるか」という分析結果を、報告したい。 第一に、大国ドイツでは(宗教的に異質な異邦人・トルコ人に対する)排外主義の危険性が存在するが、小国ルクセンブルクでは、(宗教的に同質的なカトリック教徒である外国人に対する)国際協調主義が流布している。第二に、言語について。米英仏ロのような大国では、自国言語への(一見、過剰な)執着心が認められる。これに対して、多言語国家ルクセンブルクでは、ルクセンブルク語という独自の母国語を持ちながらも、他言語への親近感が大きい。また、日本におけるがごとき、外国語といえば九九%まで英語(とりわけ米語)を意味するがごとき対米偏重主義は、ルクセンブルクには存在しない。第三に、軍隊について。小国は、もとより、軍事的勢力均衡に貢献する度合いも低いという潜在的弱点を持っている。だが、小国は軍縮指向的政策を採りやすいのに対して、大国は自国の覇権を求めて軍拡指向的政策を展開しやすいという欠点を持っている。第四に、通貨について。将来、欧州共通通貨(ECU)が発券されるに際して、そのためにEU各国が充足しなければならない、経済的諸条件にほぼ適合しているのは、小国ルクセンブルク位であると言われている。
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