Project/Area Number |
07854013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
素粒子・核・宇宙線
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
河野 宏明 佐賀大学, 理工学部, 助手 (80234706)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1995: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 核物質 / Schwinger-Dyson方程式 / 有限温度有限密度 / 状態方程式 / 相対論的原子核理論 |
Research Abstract |
相対論的な原理核模型であるσ-ω模型に基づいて、核物質におけるSchwinger-Dysonの方法を、有限温度・有限密度の場合に定式化した。もう少し具体的に述べると、有限温度・有限密度において、核子とσ、ω中間子の相互作用のうち、従来のHartree部分やHartree-Fock部分に加えて、高次の効果の1つであるリングダイヤグラムに相当する部分を、核子自己エネルギー、中間子自己エネルギー、核物質状態方程式の計算式の中に、自己無撞着に取り入れるように理論を定式化した。つまり、中間子に対する温度・密度効果が、整合的に理論の中に取り入れられているという事である。したがって、これらの計算式の中には、σ-ω混合の効果も整合的に取り入れられている。また、これらの過程において、Thermo Field Dy-namicsを使うと、零温度・有限密度のSchwinger-Dysonの方法が、自然な形で有限温度・有限温度の場合に拡張できる事が示された。とくに、核子が、零温度・有限密度の場合に、ファイマン部分と密度依存部分に別けたように、有限温度・有限密度の場合も、ファイマン部分と密度・温度依存部分に分けると、理論が大変わかりやすい形にまとまる事がわかった。また、中間子の伝播関数も、ファイマン部分と温度部分に分けられ、温度部分が、理論の中で、とくに核物質の状態方程式の計算において、大きな役割を果たしている。これらの結果は、現在投稿準備中である。さらに、数値的・定量的な解析とQCD相転移との関係につても、現在研究中である。また、これらの作業と関連して、核物質の状態方程式を実際の実験と比較して議論するために、核物質の非圧縮率の現象論的解析を行った。その結果は、近く発表予定である。
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