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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本課題では、EDTA/Ru(bpy)_3^<2+>/メチルビオローゲン/[Pt^<II>_2(NH_3)_4(μ-amidato)_2]^<2+>からなる光化学的水素生成系の諸要素を一分子中に集約させた人工光合成デバイスを開発することを目的とした。具体的には、適当なメチルビオローゲン類似の電子伝達部位を間にはさんでRu(bpy)_3^<2+>と[Pt^<II>_2(NH_3)_4(μ-amidato)_2]^<2+>を連結し、電子伝達効率の向上と阻害反応の削減を図ろうと試みた。今回は、Yonemotoらの合成法(J.Am.Chem.Soc.,1994,116,4786)を参照し、4-methyl-4'-bromoalkyl-2,2'-bipyridine (alkyl=propyl,butyl,etc.)を合成し、これを用いてニコチン酸アミド(NC_5H_4-CONH_2)やNC_5H_4-C_5H_4N-(CH_2)_n-CONH_2とのNアルキル化反応を行ない、ルテニウム錯体と白金二核錯体を連結させる多座配位子部位(bridge)の有機合成行なった。ニコチン酸アミドを含むものについては、ルテニウム部位を配位させ、さらにcis-[Pt(NH_3)_2(OH_2)_2]^<2+>を反応させ、濃緑色化合物を得ることができた。元素分析等により、この化合物の組成が[Pt_4(NH_3)_8(μ-{(bridge)Ru(bpy)_2}_4](PF_6)_<17>であることを予測することができた。この化合物について、EDTA存在下、Arガス中で、Xeランプで光照射を行い、光化学的水素生成触媒機能を調べたが、期待したほどの水素ガス生成は認められなかった。今回合成した配位子及びその金属誘導体の全ての諸性質について完全な研究を行なうには至らなかった。しかし、今回は今後多種多様な機能性分子を合成するに当り有用と考えられる新規多座配位子の合成に成功した。本研究は今後も継続し行ない、これらの配位子の金属誘導体の合成と同定を行ない、目的の光分子デバイスの合成を試みる所存である。
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