Project/Area Number |
07854046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
分離・精製・検出法
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡本 泰明 広島大学, 理学部, 助手 (40213988)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 原子スペクトル分析法 / 固体試料 / 直接導入法 / タングステン炉 / 化学修飾剤 / 微量分析 / 加熱気化法 / 分析化学 |
Research Abstract |
1.加熱気化-原子スペクトル分析法は高感度な方法であるが、固体試料を一度溶液化した後、原子化部へ導入しなければない。本研究では、目的元素としてカドミウムを例にして、環境試料のための固体試料の直接定量法を開発した。本法では、通常の加熱気化法で用いられるタングステン炉の上に、タングステン製サンプルキュベットを乗せ、いわば「2枚重ね」の形で間接的に試料を加熱できるようにした。まず、このキュベットの上にミクロ天秤を用いて数十ミリグラムの固体試料を秤量する。試料分解試薬や化学修飾剤も同時に添加した後、これをタングステンボ-ト上に密着させ、徐々に温度を上昇させながら試料を炉上で灰化分解する。同時に目的元素の原子化段階における化学種を同一に揃える。最後に約2500℃に急速に加熱することによって、目的元素をオンラインでICP発光分析装置へ導入する。得られた発光シグナルのピーク面積から定量する。 2.試料を短時間にしかも完全に分解するための試薬として、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドを添加して、有機物を分解することによって残渣を減少させることができた。さらに、リン酸アンモニウム粉末と試料粉末を最適混合比で混合することで、試料中のカドミウムが気化温度の高いリン酸塩を形成し、これによって灰化温度を比較的高い温度にすることができた。これらの化学修飾剤を併用することにより、検量線の標準物質としてカドミウム水溶液を用いることが可能になった。本法により環境試料中の微量カドミウムの直接定量を行い、保証値と良く一致した結果が得られた。 3.本法はICP発光分析装置のための固体試料の直接導入-加熱気化法のみならず、他の検出装置にも応用できる。現在は加熱石英セル-原子吸光分析装置への拡張も検討中である。
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