半導体ヘテロ構造中の低次元スピン偏極電子系の輸送現象
Project/Area Number |
07855002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied materials science/Crystal engineering
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
高橋 豊 山形大学, 工学部, 講師 (00260456)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 半導体量子井戸 / 2次元電子系 / 励起子 / 輸送特性 / 拡散 / モンテカルロシミュレーション |
Research Abstract |
本年度はモンテカルロシミュレーションを使った輸送現象の数値計算法の確立と、測定系の整備を行なった。モンテカルロシミュレーションは運動量空間におけるキャリアーの緩和現象の計算には使われていたが、今回は輸送現象を見るために実空間分布の変化を計算できるような方法を開発し、テストとして非平衡2次元電子系および励起子系(但し非偏極)に適用し、これらの輸送特性を様々な初期条件の元に計算することが出来た。(裏面論文リスト)計算結果より粒子の運動量分布の初期条件がその後の拡散に大きく影響することが示され、また拡散速度を制限している要因としては電子系の場合は電子-電子散乱であるのに対し、励起子系では量子井戸の界面揺らぎによる散乱であることがわかり、この違いのため2つの系では輸送現象に大きな違いがあることがわかった。この結果からただちに言えることは、期待しているスピン偏極系の輸送特性の特異な振舞いは2つの同種粒子間の衝突に起因するのであるから、これを実験で観測するためには粒子間衝突が支配的な電子系でなければならないことで、そのためには直流バイアスをかけた2重量子井戸サンプルを使い光励起された電子と正孔を分ける必要がある。スピン偏極系の輸送では同種粒子であることを正しくモデルに取り入れる必要があり、完全に量子力学の枠組みの中で計算しなければならない。現在このためにこの系に対してKadanoff/Baymの方法に基づいて非平衡系グリーン関数から量子力学的輸送方程式(Boltzmann方程式)を求めることを検討中である。 研究代表者は本年半年間文部省在外研究でカリフォルニア大学の半導体結晶成長・評価法を研究しているグループに派遣されることになり、ここで本研究を更に進めるために成長および評価の技術を得ることが出来ると期待している。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)