血管壁内ひずみ分布に対する血管平滑筋収縮の影響のバイオメカニクス的解析
Project/Area Number |
07855012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Materials/Mechanics of materials
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松本 健郎 東北大学, 工学部, 助教授 (30209639)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 残留応力・ひずみ / 血管平滑筋 / バイオメカニクス / ホメオスターシス |
Research Abstract |
摘出血管を輪切りにして輪の一ヶ所を切断すると円弧状に開くことが多い。これは摘出血管の内壁の圧縮、外壁の引張りの円周方向ひずみが残留していたことを示し、血管壁が生理状態で壁内のひずみを一様に保っている可能性を示唆する現象である。これまで報告者は血管中膜平滑筋の収縮・弛緩が血管壁内ひずみ分布に与える影響を調べ、ラット胸大動脈では平滑筋の収縮・弛緩に伴い残留ひずみが夫々、増加・減少することを見出し、血管平滑筋の新たな役割として収縮・弛緩に伴う壁内応力・ひずみ分布の制御を指摘してきた。本研究では平滑筋の収縮・弛緩に伴う残留ひずみの増減が部位や動物種によらず観察される現象であるかどうか調べた。 ラット及び家兎の胸大動脈、並びに家兎総頸動脈・大腿動脈からリング状試料を切出し37℃の酸素加クレブスーリンゲル液中で輪を切断した。ノルアドレナリン(NE)、ニトロプルシドナトリウム(SNP)で平滑筋をそれぞれ完全収縮・弛緩させ、これに伴う試料形状の変化を録画した。映像を後程再生し、残留ひずみ量の指標である開き角(円弧両端と両端から円弧上で等距離にある点とのなす角)を計測した。ラット胸大動脈に関しては大動脈起始部から横隔膜貫通部まで様々な範囲から得た試料を用いた。 ラット胸大動脈の場合、平滑筋の収縮・弛緩に伴い開き角は部位によらず夫々増加・減少した。しかし弓部での変化は小さかった。また、家兎大腿動脈についても概ねラット胸大動脈と同様の変化が観察された。一方、家兎大動脈と総頸動脈に関しては平滑筋収縮・弛緩に伴う開き角の変化は小さい、あるいはラットと逆方向の変化が現れる場合が多く、特に胸部下行大動脈の上部では、平滑筋収縮に伴い開き角が減少する有意な関係が得られた。今後このような差異を生じた原因に関し、組織構造の違いなどの面から詳しく検討する必要があることが判った。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)