情報工学的推論手法を用いた局地豪雨予測手法の開発に関する研究
Project/Area Number |
07855063
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
水工水理学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大石 哲 京都大学, 防災研究所, 助手 (30252521)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 定性推論 / 短時間降雨予測 / 局地豪雨 / 寒冷前線 / 雲物理 / 積雲 / 定性積雲モデル / GPV |
Research Abstract |
気象情報から気象現況を定性的に推論するアルゴリズムとルールを作成し、それを計算機中で表現し,実際の豪雨現象に適用してケーススタディを行うことでアルゴリズムの検証を行うことを目標に以下の研究を行った. 1.気象庁・数値予報出力値であるGPV(Grid Point Value)を用いて前線の位置を判断するアルゴリズムを開発した.このアルゴリズムは気象現象に詳しい人間が前線の位置を判断する手法を模して,事例毎に変化するGPVの値を相対的に判断して事例毎に適当なしきい値を判断して2値化を行うことにより前線を抽出する機能を備えている.さらに,アルゴリズムの検証段階において人間が空間的に分布している数値を判断する際には全領域の値の分布具合を判断して空間をいくつかに分解し,その中で前線を抽出して最後にそれぞれで求められた前線を結合していることが判明した. 2.偏微分方程式により表現されている大気の連続式を通して,GPVで得られるメソαスケールの風の情報から地形の影響を受けて生起するメソγスケールの鉛直風分布を求める定性モデルを開発し,その実現を行った.ここで得られた鉛直風分布と大気の安定度,および水蒸気の供給状況が局地豪雨をもたらすような積雲の生起を予測する推論材料である.また,この定性モデルの開発は,診断的解法ではあるが,今まで常微分方程式系だけが定性推論モデルとなることが可能であったという壁を乗り越えて偏微分方程式系も定性モデル化する手法を提案するものである. 3.積雲の数値シミュレーションを通して局地豪雨をもたらすような積雲の生起・発達に影響を与える種々の定量・定性的要因を獲得し,それらを実際の局地豪雨予測に活用するために1次元定性積雲モデル,それを2次元に拡張した2次元定性積雲モデルの基礎的フレームを考案した. これらの研究を行う上で,特に大量のデータを必要とするGPVの解析に際して,計算機の主記憶装置,外部記憶装置を拡張したことが研究の進捗に非常に効果的に機能した.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)