Project/Area Number |
07855095
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業分析化学
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中野 幸二 九州大学, 工学部, 助教授 (10180324)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 二官能性チオール / 分子修飾電極 / 自己組織化単分子膜 / L-アラニン / 交流測定法 / バイオセンサ |
Research Abstract |
分子修飾電極とその化学計測への応用という立場から,長鎖アルカンチオール類による自己組織化単分子膜(Self-Assembling Monolayer,SAM)について研究してきた。本研究では、活性エステル型二官能性物質による酵素固定化、および交流測定型酵素センサへの応用について検討した。 本研究で用いた二官能性物質は、末端に導入した活性エステル基の反応により、SAM表面を二次的に修飾できる特徴を持っている。固定化の対象は一級アミノ基を持つ各種の機能分子に限られるが、反応は水溶液中、室温下でも定量的に起こるので、生体成分のように不安定な物質にも適用できる。ここでは、酵素(アラニンアミノトランスフェラーゼ,ALT)の固定化を行い、調製した酵素電極の電気化学特性を検討した。その結果、酵素反応に伴って電極の交流特性が変化することを見い出した。ALTは、L-アラニンと2-ケトグルタル酸とを基質とし両者のアミノ基転移反応の解媒作用を示すが、ALT修飾電極は基質の濃度増加に応じて電極インピーダンスが低下する応答を示した。この応答は、2-ケトグルタル酸については10^<-3>Mレベルであるものの、L-アラニンについては10^<-6>Mレベルとごく低濃度から見られ、高感度なL-アラニンセンサとしての可能性を示すことができた。 今日までに多種多様なバイオセンサが報告されてきた。しかし、L-アラニンセンサについては報告例はごく限られている。また、SAM修飾電極と交流測定を組み合わせたタイプのセンサは我々のオリジナルであり他に類例を見ない。なおL-アラニンは、近年注目されている“うま味"の基本成分であり、本系は“うま味センサ"としての応用が期待できることを付け加えておく。
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