Project/Area Number |
07855104
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
無機工業化学
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
萩原 理加 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30237911)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | フッ素 / フッ化物 / フッ化銀 / 銀 / フッ化水素 / 熱分解 / 示差熱分析 / 無機合成 |
Research Abstract |
本研究は単体フッ素を用いることなく合成できる金属フッ化物の熱分解により、電気化学的手法を用いずに単体フッ素を合成することを目的とした研究である。今回は2成分系の金属フッ化物としてその生成エンタルピーがもっとも低いフッ化銀AgFを対象にその熱特性を検討した。熱分析用の純粋なAgFの合成法が検討され、フッ酸溶液と酸化銀の反応により得られたAgFを光による還元を避けながら無水フッ化水素中で何度も処理することにより、きわめて純粋なAgFを得ることに成功した。最初にモネル金属反応容器中で真空中での白金坩堝にいれられたAgFの加熱試験を行ったが、融点とされている435℃での溶融が起こらず、僅かながら圧力上昇が見られた。さらに加熱後の残留物が金属銀であり、白金坩堝の重量変化もないことが確認された。この結果AgFの熱分解により、フッ素発生が起こっている可能性がきわめて高くなった。この試料を用いて示差熱分析を行ったところ、昇温時435℃付近に2つの吸熱ピークが現れ、降温時は高温側の発熱ピークのみが現れることが確認された。現在熱重量分析により、分解反応の詳細な解析、および発生ガスの捕集および分析による再確認実験が進行中であるが、発生するフッ素ガスがきわれて腐食性の高いガスであり、特に高温では反応管壁と反応しやすく、定量的な実験を行うには、なおしばらくの時間を要すると思われる。
|