超不安定試剤、ジホルミルアミン及びニトロマロンアルデヒドの合成等価体の開発
Project/Area Number |
07855107
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
西脇 永敏 大阪教育大学, 教育学部, 助手 (30237763)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ニトロピリミジノン / ジホルミルアミン / ニトロマロンアルデヒド / 環変換反応 / ジ置換ピリミジン / アミン分解 / ニトロエナミン |
Research Abstract |
高い電子欠乏性を示す2種類のニトロピリミジノンの特性を活かして、従来合成が困難であった種々の多官能化合物への誘導を検討した。 1-メチル-5-ニトロピリミジン-2(1H)-オン1と活性メチレン化合物との反応では電子密度の低い4位と6位で環変換反応が進行し、ニトロ基を有する環骨格に誘導できることを見い出した。本反応ではニトロピリミジノン1がニトロマロンアルデヒドの合成等価体として作用していることを明らかにした。また、1のアミン分解を行なった結果、ジイミンやニトロエナミンに変換されることを見い出し、これらの化合物がほとんどの有機溶媒に可溶なニトロマロンアルデヒドの合成等価体として作用することも明らかにした。 一方、3-メチル-5-ニトロピリミジン-4(3H)-オン2と活性メチレン化合物を用いて同様の処理を行ったところ、2位と6位で反応し、3,5-ジ置換-4-ピリドン誘導体が得られることを見い出した。さらにアンモニア存在下の反応ではジ置換ピリミジンが得られ、新規骨格構築法の開発に成功した。これらの場合にはピリミジノン2はジホルミルアミン等価体として働いている。 ニトロマロンアルデヒド、ジホルミルアミンいずれの場合も有用な合成ユニットであるにも拘わらず単離が非常に困難な超不安定試剤であるため、その簡便な合成等価体はまだ開発されていない。上に示した2つのニトロピリミジノンはこの目的に対して利用が充分に可能である。特に後者の簡便な合成等価体は我々の知る限りでは報告されておらず、有機合成の分野に新しい方法論を与えるものである。
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Report
(1 results)
Research Products
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