Project/Area Number |
07856016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
林学
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
吉本 敦 宮崎大学, 農学部, 助教授 (10264350)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 森林経済学 / 森林伐採計画 / 確率動的計画法 / 確率微分方程式 / 数理計画法 / オペレーションズ・リサーチ / 金融経済学 / 最尤法 |
Research Abstract |
これまで、森林資源は国産材価格の低迷により、リゾート開発等といった木材生産以外の産業のために開発されてきた。こうした開発が進む大きな理由は、木材生産資源として評価される森林資源の経済価値が過小評価され、リゾート開発等が生み出す経済価値を大きく下回ることにある。森林資源の経済価値を評価する方法は、いわゆる現在価値換算を用いた決定論的な手法によるものが多く、将来的な不確実性・不可逆現象に対する価値は考慮されていない。本研究では、木材価格の将来的な不確実性を考慮した確率制御による経済価値評価モデルを構築し、価格の不確実性の森林経営に及ぼす影響について分析を行った。モデル構築には、まず連続型確立微分方程式による木材価格のモデル化、次にBinomial Option Pricing法による連続型モデルの離散化、そして離散化されたプロセスに対し確立動的計画法を用いた林分経営の最適化により確率的制御モデルを構築した。木材価格の確率的なプロセスには幾何ブラウン運動を描写する確率微分方程式(dX_t=αX_tdt+X_tσdZ_t)を仮定した。方程式の定数推定には最尤法を用いた。また、確率動的計画法による最適化モデルの構築に際しては、「林分の伐採」、「伐採待ち」、および「経営放棄」の3つの決定からなるDecision Treeを仮定した。分析対象にはスギ、ヒノキ林分を用い、それらの国内原木価格の確率的プロセスを上記確率微分方程式により描写した。分析の結果、木材価格が全てのコストをカバーできる範囲では、最適伐期齢は価格の不確実性を考慮しない現在価値換算を用いて導かれるものとほぼ同一になるが、期待現在価値は前者の方が大きくなることが分かった。また、木材価格が下がれば最適伐期齢は長くなり、更に価格の下落が生じると経営そのものを破棄することが最適な決定案となることが分かった。
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