嫌気条件下におけるブタ精液中の精子先体反応遅延因子に関する研究
Project/Area Number |
07856030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied animal science
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
楠木 比呂志 神戸大学, 農学部・附属農場, 助手 (30211882)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ブタ / 精子 / 先体反応 / 精液 / フルクトース |
Research Abstract |
哺乳動物精子の先体反応は精液中では抑制された状態にあると言われているが、最近研究代表者は、ブタ精子を精液のまま嫌気条件下(密閉容器内)において40℃で加温すると高率に先体反応が誘起されることを発見した。しかしこの場合、精漿を除去して精子を代謝基質欠乏媒液(K3液)中で加温した場合に比べると先体反応誘起に倍以上の時間を要し、このことから精液中には生体反応の発現を遅延させる因子が存在すると考えられた。そこで本研究では、この因子を明らかにする目的で、嫌気条件下で精液中の唯一の代謝基質と考えられているフルクトース(Fru)の可能性について検討した。実験材料には3頭の梅山豚および2頭の金華豚の種雄から採取した濃厚部精液を用いた。まず最初に、精液中の平均Fru含量をFキットを用いて調べたところ、5頭15サンプルの平均で20.2mg/100mlであった。そこで次に、精液をそのまま、あるいは20.2mg/100ml Fru添加または無添加のK3液に再浮遊したのち密閉容器内において40℃で9時間まで加温し、その間の精子の先体反応誘起の程度と運動指数を経時的に調べた。その結果、精子の先体反応は、精液中では6時間以上の加温で(acrosomal exocytosis精子率=81.4%&透明帯除去体外成熟ブタ卵母細胞に侵入した精子数/供試卵母細胞数=6.59)、一方残りの2条件ではFruの有無に関わりなく半分の3時間以上の加温で効率に誘起された(Fru有:64.1%&3.02、Fru無: 67.6% &2.96)。この結果から、Fruは精子先体反応遅延因子ではないと考えられた。また加温3時間後の精子運動指数は、Fru添加区と無添加区がともにほぼ0であったのに対して、精液区では35.62とかなり高かった。このことから、精液中のFruは嫌気条件下ではかなり早い時期に消費されてしまうこと、また精液中にはFru以外にも嫌気条件下で代謝基質となるような未知の成分が存在しており、それが遅延因子である可能性が考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
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