Research Abstract |
研究代表者は平成3年4月より神経細胞の細胞骨格に関する分子細胞生物学的研究,特に軸索輸送に関与するモーター分子の機能解析に従事してきた。この過程で,従来困難とされてきた神経細胞への遺伝子導入が,ウイルスベクターを利用することにより可能となることを見出してきた。 そこでエピトープタッギングを行ったニューロフィラメントM遺伝子をアデノウイルスベクターに組み込み,これをニューロフィラメントH+lacZの融合遺伝子が導入されたトランスジェニックマウスのL4の後根神経筋へ注入し,その遺伝子産物の坐骨神経内での動態を電子顕微鏡レベルで解析することを目的として、実験を開始した。 まず遺伝子工学的手法によりエピトープタッギングを行ったニューロフィラメントM遺伝子を作製した。次にこの遺伝子を非増殖型組み換えアデノウイルスベクターに組み込んだ。培養細胞での発現チェックを経た上で,これを超遠心分離により高度に濃縮,精製することに成功した。 現在、精製の済んだ濃縮ウイルス液を実体顕微鏡下,部分椎弓切除によって露出したトランスジェニックマウスのL4後根神経節へ微量注入する実験を行っている所である。
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