Project/Area Number |
07857032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Legal medicine
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩楯 公晴 東京大学, 医学部(医), 助手 (90251222)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 脂肪塞栓 / オスミウム / トリオレイン |
Research Abstract |
1.平成6年以降当教室で解剖した症例のうち、明らかに脂肪塞栓により死亡した症例は4例であった。これらの症例について、ホルマリン固定後にオスミウム酸による中性脂肪の再固定を行い、組織学的に塞栓の分布や程度を調べた。脂肪塞栓群では、いずれも両側肺の小血管内にびまん性の塞栓像認めた。発症後の経過の長い2例では、脳の点状出血や、肺に反応性の変化を認め、各臓器に脂肪塞栓が生じていたが、他の2例では塞栓は肺にほぼ限局し、反応性の変化等は認められなかった。一方、その他の外傷により死亡した症例数例についても、同様にオスミウム酸を用いて脂肪塞栓の有無を確認したが、これまで報告されているように、骨折を伴う症例や、心肺蘇生を行った症例では肺に軽度の塞栓を認める例があった。 2.ラットを用いて、実験的に脂肪塞栓を発生させた。8週齢ウィスター系ラットの下大静脈、大腿静脈から手術的に、また尾静脈から経皮的にトリオレインを注入した。下大静脈からの注入では、約3ml/kg程度の量で注入後数分以内に、1ml/kg程度で数十分以内に死亡した。大腿静脈からの注入では3ml/kg程度では数分以内に死亡したが、1ml/kg程度では死亡しなかった。これらの急性死亡例では、一般に肺は蒼白調であったが、点状出血等の変化は認められなかった。尾静脈からの注入例では大量(約15ml/kg)では短時間で死亡したが、それ以下では死亡しない例がほとんどであり、組織所見にも各例における差異が大きく、手技的な問題が考えられた。しかし、これらの例を注入後約2日で解剖したところ、肺に点状出血を認める例が多く、発症後の経過時間との関係については剖検例の結果と矛盾しなかった。 3.ラットを用いた実験は、現在各1〜2例行ったのみであるが、今後は実験系を確立し脂肪塞栓による短期・長期の変化や、界面活性剤による影響等を考察する予定である。
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