中枢神経系に於けるヘム異化の意義:特に神経変性機構との関連について
Project/Area Number |
07857043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武田 篤 東北大学, 医学部, 助手 (70261534)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | heme oxygenase / heme / oxidative stress / antioxidant / bilirubin / biliverdin / CO / neurodegeneration |
Research Abstract |
当該年度は虚血脳での発現変化を中心に検討し、一過性前脳虚血後のheme oxygenase-1、2(HO-1、2)の蛋白レベルでの発現変化を調べた。Western blotting法や免疫組織化学法による検討から、HO-2については虚血後、発現変化がみられないこと、HO-1蛋白発現は虚血後12時間をピークに神経細胞とアストロサイトで著名な誘導を受けることが判明した。これらは既に報告したmRNAレベルでの検討結果と矛盾しないものだった。しかし海馬CA1では、mRNA発現誘導はみられるものの、錐体細胞でもグリア細胞でも蛋白誘導がみられなかった。虚血後のCA1錐体細胞でHeat shock protein-70(hsp-70)のmRNA発現増大が、必ずしも蛋白誘導に結び付かないことが以前から指摘されており、遅発性神経細胞死に先だってCA1錐体細胞に起こる蛋白合成の著明な低下によるものと考えられてきたが、今回アストロサイトでも同様の現像が確認されたことは非常に興味深い。ヘム異化系産物のbilirubinやCOは脂溶性のため、細胞膜を比較的自由に拡散する。遅発性神経細胞死に先だって、近傍のアソトロサイトでもmRNA発現誘導が蛋白合成に繋がらないuncoupling現像がみられたことから、neuron/astrocyte interactionの破綻が神経細胞死のtriggerとなっている可能性も示唆される。現在、共同研究により、抗ビリルビン抗体を用いたビリルビンの産生変化を同モデルで検討中である。 神経変性疾患に関しては、HO-1遺伝子近傍に非常に多型性に富むマーカーを見いだし、それを利用したlinkage studyが、アルツハイマー病とパーキンソン病について現在進行中である。またパーキンソン病剖検脳を用いた免疫組織化学法によるヘム異化系酵素の発現変化も現在検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)