Project/Area Number |
07857116
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大島 猛史 東北大学, 医学部, 助手 (40241608)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 老人性難聴 / ミトコンドリア / PCR |
Research Abstract |
聴力は加齢と共に徐々に低下していく傾向にある。現在までそのメカニズムは明らかにされず、加齢に伴う必然的変化と位置づけられていた。老化の原因の一つとしてミトコンドリアの機能異常が示唆されている。本研究では、まずミトコンドリア遺伝子点変異を有する難聴家系について報告し、神経耳科学的アプローチにより内耳感覚細胞の障害であることを示した。ヒト内耳有毛細胞は細胞分裂終了細胞であり、ミトコンドリア遺伝子変異が蓄積されやすい。有毛細胞はミトコンドリアによるエネルギー要求量が大きいと考えられ、加齢によるミトコンドリア遺伝子変異の蓄積によるエネルギー産生の低下が有毛細胞機能低下をもたらし、感音難聴の原因になりうると仮説をたてた。これを立証すべく分子生物学的手法に基づき研究を行い、以下の知見を得た。 今回の研究では、ミトコンドリアDNAの13bp反復配列に着目し、ここでの欠失の有無をPCR法にて検討した。純音聴力検査により聴力正常者と両側感音難聴者(騒音曝露などの既往のない例)の2群の末梢血白血球ミトコンドリアDNAを解析した。 ミトコンドリア遺伝子欠失変異は老人性難聴者の79.0%(43例中34例)に検出された。これに対して、聴力正常群では18.2%に検出されたのみであった。DNA塩基配列解析から欠失はミトコンドリアDNAの13bp反復配列にて生じていることが確認された。この変異型は野生型に対してごくわずかであると考えられこれだけで機能低下をきたすとは考えにくいが、他の部位でも欠失変異が生じている可能性は高く、また、内耳での変異体の割合など不明な点も多い。加齢と共にこれらの欠失変異が無視し得ない割合になり内耳機能異常をきたす可能性がある。
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