蝸電図を用いた、蝸牛の語音に対する雑音軽減システムの解明
Project/Area Number |
07857119
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
篠原 尚吾 京都大学, 医学研究科, 助手 (80263078)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1995: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 聴覚 / 時間情報 / 蝸牛 / 語音 / 感音難聴 / 蝸電図 / 複合活動電位 |
Research Abstract |
蝸牛は刺激音が含む周波数情報を蝸牛内の場所情報に変換し,ここに分布する一次聴ニューロンの持つ特徴周波数情報として中枢へ伝えている.そのため,語音の認知に関しても周波数からのアプローチが主体であり,それによってフォルマント周波数と呼ばれる周波数情報を持つ母音の認知はある説明できたが,子音や一定のスピードを持つ話し言葉の認知についてはなお充分説明できないままである.近年,語音が持つ時間情報が注目されている.時間とともに変化する話し言葉を認知する上では周波数情報に加えて時間情報が不可欠な因子と思われるが,この方面のヒトに対する研究はほとんど進んでいないのが現状である. 我々は,聴ニューロンの発火の同期,非同期のタイミングが時間情報の因子であろうと考えた.そこでヒトの語音刺激時の蝸電図を記録し,複合活動電位(CAP)を観察した.CAPは特徴周波数別に並んだ多くの一次聴ニューロンの同期的発火を見ているために蝸牛の場所情報は含まないが,個々のニューロンの発火の時間的な同期性を反映しており,ヒト蝸牛の時間情報検出法として最適と考えられるからである. まず母音と同じ母音を用いた子音母音音節を比較することにより,子音の弁別に関する時間情報の役割を調べた.その結果,聴力正常者では蝸牛における時間情報の相違が語音弁別に役立っていることが推察された.また各種感音難聴者で同様の検査を行い聴力正常者と比較することにより,感音難聴者の語音明瞭度の低下のメカニズムを調べた.その結果,内耳性難聴のあるタイプのものでは,語音は蝸牛レベルで既に正常者と異なる時間情報に変換されていることが判った.
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)