Project/Area Number |
07857125
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Ophthalmology
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
山崎 俊秀 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (20271174)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 角膜 / アルカリ外傷 / インターロイキン8 / ELISA |
Research Abstract |
本研究では、アルカリ外傷角膜におけるIL-8の発現について検討した。 まず、家兎角膜アルカリ外傷におけるInterleukin8(IL-8)の発現についてRT-PCR法を用いて検討した。正常およびアルカリ外傷後7日の角膜を摘出、AGPC法を用いてtRNAを抽出しreversetranscriptionによってcDNAを作成した。プライマーはrabbitIL-8のcDNA塩基配列をもとに特異的プライマーを独自に作成した。アルカリ外傷は家兎角膜に1N NaOHを浸透させた直径10mmのろ紙を30秒間接触させて作成した。その結果、IL-8cDNAのサイズに一致するバンドをアルカリ外傷角膜にのみ認め、アルカリ外傷角膜においてIL-8 mRNAが発現していることが確認された。 次にELISA法を用いてアルカリ外傷角膜におけるIL-8発現についてタンパクレベルでの定量を行った。1995年7月にラットのIL-8 ELISA systemが市販されたため、ラット角膜アルカリ外傷モデルを用いて実験を行った。ラット角膜28眼に1N NaOHを浸透させた直径5mmのろ紙を60秒間接触させてアルカリ外傷を作成した。無処置の正常角膜4眼を対照とした。正常角膜および外傷後1、3、5、7、14、21、28日の角膜を摘出、凍結・粉砕したのちPBSに浮遊させ遠心し、その上清についてIL-8の定量を行った。その結果、正常角膜において53.8±9.7(mean±s.e.)pg/corneaのIL-8発現を認め、外傷後1日には295.6±46.3pg/coernea、外傷後5日に最大値455.8±124.2pg/coerneaに達した。しかし、外傷後14日のIL-8発現は18.7±2.1pg/coerneaと正常角膜の約3分の1のレベルであり、外傷後28日においても外傷後14日と同じレベルであった。 以上より、(1)正常角膜において約54pg/corneaのIL-8が発現する。(2)アルカリ外傷角膜では外傷後早期にIL-8が発現誘導され、外傷後5日に正常角膜の約8.5倍になる。(3)アルカリ外傷後14〜28日の瘢痕化角膜ではIL-8発現が正常の約1/3であることが明らかとなった。 現在、角膜におけるIL-8の局在を免疫組織化学的手法を用いて検討中である。
|