歯肉溝浸出液中の各種サイトカインの動態〜歯の移動に伴う経時的変化〜
Project/Area Number |
07857156
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
矯正・小児・社会系歯学
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
上松 節子 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (80271378)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | IL-1β / IL-6 / TNF-α / EGF / β2-microglobulin / GCF / orthodontic tooth movement |
Research Abstract |
歯の移動開始後経時的に採取した、矯正治療患者の歯肉溝浸出液(GCF)中のタンパク質量およびサイトカイン含有量を測定し、比較検討することによって、ヒトでの歯の移動に伴うサイトカインの関与について知見を求めることを目的として本研究を行った。 上下顎左右第一小臼歯抜歯症例8名を研究対象とした。遠心移動を行う上顎犬歯を実験歯、反対側の犬歯ならびに実験歯と同側の下顎犬歯を対照歯として、実験歯の遠心移動開始後、経時的(0,1hr.,24hr.,168hr)にGCFを採取した。タンパク抽出後、IL-1β、IL-6は市販のsandwich ELISAで、EGF、TNF-α、β2-MGはEIAにて定量を行った。 実験歯のGCF中のIL-1β、IL-6、TNF-α、EGFおよびβ2-MG量は、移動開始後24hr.で対照歯よりも統計的に有意に高い値を示した。一方、タンパク質量は実験歯で徐々に上昇し、168hr.でピークを示したが、対照歯と有意な差は認められなかった。 IL-1βはin vivoで骨吸収を促進するサイトカインであり、TNF-αはIL-1βとsynergisticに作用すると考えられている。IL-6はIL-1βやTNF-αなどによってその生成が促進されることが報告されており、in vivoで骨吸収活性を示す。また、EGFは骨吸収、骨形成に関与するgrowth factorとして、β2-MGはbone-derived growth factorとして考えられている。これらのサイトカインが、同様の一過性の上昇を示したことから、矯正的な歯の移動に伴う骨代謝に関与すると考えられているサイトカインの動態が、GCF中に反映する可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)