Project/Area Number |
07857157
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中村 精一 北海道大学, 薬学部, 助手 (90261320)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ザラゴジン酸類 / α-ケトエステル / アルドール反応 / 置換基効果 / 全合成 |
Research Abstract |
種々の新規プローブ合成への道を拓くため、リ-ド化合物であるザラゴジン酸類の合成法の検討を行なった。これまでに当研究所では、α-ケトエステルとOS-シリルケテンアセタールとをスズ(II)トリフラート存在下反応させることによって二連続第四級炭素を一挙に構築することに成功しているが、その立体選択性にはいまだ問題を残していた。そこで置換基の選択性に及ぼす効果について種々検討した結果、α-ケトエステル側の置換基を代えることにより、ある特定の組み合わせの場合に所望の立体を有する成績体が主生成物として得られてくることを見いだした。このアルドール成績体に対し、水酸基のTMS基での保護、脱保護、酸化、エステル化等を行なってコア構造を構成する官能基を全て必要な形で有するアルデヒドへと導いた。ザラゴジン酸Cアルキル側鎖の導入は様々な求核剤を用いて試みたところ、現在まであまり満足のいく結果は得られていないものの、グリニャ-ル試薬等を用いた場合に付加体を得ることができ、これによってザラゴジン酸C全合成に必要な全炭素骨格を揃えることに成功した。生じたアルコールを酸化後、90%含水トリフルオロ酢酸と反応させることにより脱保護、環化が一挙に進行し、2,8-ジオキサビシクロ環を有する化合物を得ることが出来た。これに対し、保護基のかけ代え、アシル側鎖によるエステル化など数工程の変換を経てCarreiraらの報告している合成中間体へと導き、最終的にザラゴジン酸Cの全合成を達成した。本合成ルートは、アルキル側鎖の導入を合成の終盤で行なっていることから他のザラゴジン酸同族体の合成に対しても融通のきく方法であり、新規プローブ合成のための有効な手段を提供するものと考えられる。現在全合成を通して得た知見を基に誘導体の合成を行なっている。
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