Project/Area Number |
07857162
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical pharmacy
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
冨岡 寛顕 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (50212072)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | カロテノイド / 古細菌 / 高度好塩菌 / バクリテリオロドプシン |
Research Abstract |
新規に単離した高度好塩菌の1つであるmex株中のメックスバクテリオロドプシンはカロテノイドと脂質とから成る赤紫膜を形成していた。その膜は他の膜部分と比較的容易に分離が可能であることが解った。その膜中に含まれるカロテノイドは、80%以上が、炭素数50で共役2重結合を13個持ち、OH基をその構造の両末端に計4つ持つバクテリオルベリンであった。mexの野生株からカロテノイドを欠損した白色の株(mexW1株)を単離した。その株では赤紫膜が形成されず、カロテノイドが欠損すると赤紫膜は形成されないことが解った。mexW1株のメックスバクテリオロドプシンの構造変化はmex野生株のそれより遅いことが解り、このことはカロテイノイドがメックスバクテリオロドプシンに作用しその構造変化を加速している可能性を示唆している。このmex株の系はHalobacterium salinariumのハロロドプシンの系に比べ、カロテノイドと蛋白が結合した形での単離が可能であり、カロテノイドの膜蛋白に対する作用を調べるという点では極めて発展性がある系である。さらに他の高度好塩菌では見られずmex野生株でのみ見られる波型の吸収変化を見いだし、この変化はカロテノイド由来であることをmexW1株との比較実験から突き止めた。その波型の吸収変化は、カロテノイドの吸収が無い波長の励起光により引き起こされるため、カロテノイドの直接励起ではなく、励起光により起こった何らかによって誘起されることが示唆された。
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