Research Abstract |
動的負荷下培養装置の設計と製作を行い,親水化処理を施したシリコーンシートに家兎末梢血単球を接着させて,シートに繰り返しひずみを与えながら培養し,細胞形態を観察した。 (1)動的負荷下培養装置の設計および製作 動的負荷装置は,偏心盤とロッドを用いてステッピングモータの回転運動を往復運動に変え,シリコーンシートに繰り返しひずみを与える構造とした。培養チャンバーはアクリル二重槽とした。内槽の底部にアクリル製培養皿を設置し,外槽と蓋には恒温槽から37℃の温水を循環させ,また,培養皿にフイルターを通した37℃の95%Air+5%CO_2混合ガスを供給することにより、培地の温度およびpHの維持が可能であった。培養チャンバーの片側側面に開けた内槽への貫通孔に負荷装置のロッドを通し,アダプターを介してシートを把持したチャックと連結した。シートの他方は培養皿内に固定したチャックに取り付けた。この装置を用いて,培養環境を維持しながら,周波数可変で正弦波状の繰り返しひずみをシートに与えることが可能であった。 (2)末梢血単球の培養と形態観察 シリコーンシートに放電処理を施すことにより表面を親水化し,細胞接着性を向上させた。L929細胞を用いて処理を施したシートの細胞毒性を調べたが,毒性はみられなかった。シートに単球を接着させて,周波数1Hz,5%の繰り返しひずみを与えながら培養した。走査型電子顕微鏡を用いて培養前後の接着形態を比較したが,培養2日後では現在のところ大きな違いはみられていない。
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