Project/Area Number |
07J03545
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied biochemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中島 健一朗 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ネオクリン / 味覚修飾タンパク質 / 甘味タンパク質 / ミラクリン / ヒスチジン / ヒト甘咲レセプター / pH依存性 / バリアント |
Research Abstract |
ネオクリン(NCL)は西マレーシア原産の熱帯植物Curculigo latifoliaの果実中に含まれるタンパク質で、酸性サブユニットと塩基性サブユニットのヘテロダイマーである。ネオクリン自身も甘昧を呈するが、ネオクリンを味わったあとに酸を味わうと強い甘味が生じる。この性質は味覚修飾活性とよばれるもので、NCL以外にはミラクルフルーツに含まれるタンパク質ミラクリンが知られている。しかし、ミラクリンそのものは甘味を呈さない。従って、NCLは甘味活性と味覚修飾活性を併せ持つ唯一のタンパク質といえる。NCLのユニークな性質は味覚科学および食品産業の分野からも注目され、どのようにして酸によって強い甘味が誘導されるかに興昧がもたれている。 これまでに筆者は、NCLに存在する5つのHis残基を全てAla残基に置換したバリアント(HAバリアント)はNCLの場合と異なり、味覚修飾活性を失い、pHに関わらず強い甘味を呈することを明らかにした。そこで、本研究では5つのヒスチジン残基のうち活性に重要な残基を探索した。大腸菌を用いて、複数のヒスチジンバリアントを作製し、その活性を評価したところ、ネオクリンの塩基性サブユニットに存在する3つのヒスチジン残基のうち1ヶ所をアラニンに置換すると、HAバリアントのように強い甘味を呈することが明らかになった。一方、酸性サブユニットの2つヒスチジン残基のうち1ヶ所をアラニンに置換すると、そのもの自身の甘味がなくなりミラクリンのような活性を呈した。従って、両サブユニットに存在する2つのヒスチジン残基がネオクリンの甘味・味覚修飾活性にそれぞれ重要な役割を担うことが明らかになった。
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