Project/Area Number |
07J45168
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Experimental psychology
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
川崎 弥生 Nihon University, 文理学部, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 虚記憶 / リスト学習 / 自己選択効果 / 再生テスト / 処理の深さ / バイリンガル |
Research Abstract |
本研究の目的は記憶の説明する理論を虚記憶現象で検討することである。虚記憶とは実際には起こらなかったことを「起こったこと」として誤って思い出す現象である。この現象を人工的に作り出すために、本研究では単語のリストを用いた。たとえば、「話す」「読む」「講義」といった15単語を覚えると、「聞く」という単語を誤って思い出す。このように誤って思い出す単語をルアー語と呼ぶ。このルアー語の虚記憶の生成を説明する理論には、活性化-モニタリング説とファジートレース理論との2種類がある。これらの理論の大きな違いは、記憶の表象や痕跡を1種類とするか2種類とするかである。1種類とする活性化-モニタリング説では、リスト語の記憶とルアー語の虚記憶とが同質であると説明する。それに対して2種類とするファジートレース理論では、リスト語の記憶とルアー語の虚記憶を異質なものと説明する。本研究の特色は、リスト語の学習方法の処理の深さを自己選択効果を用いて体系的に操作して、虚記憶の生成を説明する理論を特定し、記憶の生成全般を説明することである。自己選択効果とは、複数提示される記銘項目の候補の中から、実験参加者自身が選択した項目を記銘するほうが、あらかじめ実験者によって決定されている項目を記銘する場合に比べて記憶保持が優れる現象のことである。リスト語の学習方法の処理が深くなればなるほど、リスト語の思い出される率が高くなることが先行研究で示されている。リスト語と同じように、ルアー語が誤って思い出される率が高くなれば、リスト語とルアー語の記憶は同質であると考えられ、ルアー語が誤って思い出される率が低くなれば、リスト語とルアー語の記憶は異質であると考えられる。実験の結果、リスト語とルアー語の両方で自己選択効果が見られたため、リスト語とルアー語の記憶は同質であると考えられた。したがって、記憶の表象が1つと考えられる活性化-モニタリング説が支持された。
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