認知・言語能力の発達におけるプロソディーの役割-神経心理学的考察
Project/Area Number |
08202103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
河野 守夫 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (20073364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝澤 修 郵政省, 通信総合研究所・関西支所, 研究官
門田 修平 関西学院大学, 法学部, 助教授 (20191984)
賀集 寛 関西学院大学, 文学部, 教授 (20090730)
柏木 敏宏 大阪協和会病院, 言語療法科, 科長
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 日本人乳児の / r-1 / 弁別 / 2つの音声処理機構 / 音声処理機構の階層性 / 幼児の音声知覚の発達的変化の原因 / 全体的音声知覚と分析的音声知覚 / 音声学的知覚と音素的知覚 |
Research Abstract |
【目的と方法】乳児の非母国語音声の弁別能力が時間的経過とともに変化する原因を追求するため、A) B)の研究を行った。A)音声言語処理にみられる生得的要因の追求.B)幼児の音声知覚の発達的変化に関する実態調査。【Aの結果】脳梁離断患者や純粋語唖患者などを被験者とした諸実験の結果、次のことが明らかになった。1)人間には全体的知覚と分析的知覚の音声処理機構がある。2)両者は互いに階層構造をなし、前者が下部構造を、後者が上部構造を形成する。3)分析的知覚処理が進むと全体的知覚処理機構の作業を抑制するが、分析的知覚の制御がされると、全体的知覚能力は自動的に復元する。【Bの結果】実験1では、〈/r-1/の弁別能力は生後10か月から12か月までに低下するが、/w-y/の弁別能力は、生後1年の後半も維持されている。〉というデータが得られた。実験2では、/r-1/、/w-y/の他に、/w-y/も音声刺激に加えられた。実験3は、実験条件と音声刺激にさらに改良を加えて実施された。以上3つの実験をを通して、/r-1/の弁別能力は生後10か月から12か月までに低下することが判明した。【幼児の音声知覚の発達的変化の原因に関する仮説】生後間のない幼児は全体的知覚機構によって音声を知覚する(phonetic perception)。やがて母国語の音韻構造を獲得する過程で分析的知覚機構が優位に作動すると(phonemic perception)、全体的知覚が抑制されて/r-1/の聞き分けが難しくなる。しかし、分析的知覚の優位性がなくなると全体的知覚機構が自然に活性化し、/r-1/の識別が可能になる。【Pilot study】40-69歳(平均56.9歳)の健常者24名と同年齢層(平均54.3歳)の左脳に損傷のある言語障害者7名(右脳損傷なし)に、上記B)に使用したのと同じ刺激を用いて音声弁別実験を行った。結果は、/r-1/については、健常者が平均14.8%、SD=5.9、言語障害者は36.3、5.7であった。/w-y/は両群とも93%.
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)