ヒトとチンパンジーの対象操作行動と社会的関係性の発達
Project/Area Number |
08202106
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
竹下 秀子 滋賀県立大学, 人間文化学部, 講師 (90179630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 真介 京都大学, 総合人間学部, 助手 (60201620)
田中 杉恵 滋賀県立大学, 人間発達研究所, 研究員 (80217041)
田中 昌人 竜谷大学, 文学部, 教授 (90025106)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1996: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | ヒト乳児 / チンパンジー / ボノボ / 対象操作行動 / 道具使用 / 機能的対称性 / 定位的操作 / 新しい発達の原動力 |
Research Abstract |
乳児期の行動発達の比較研究が示唆された、(1)生後4カ月以降の体幹の直立性と両手使用性の発達連関、(2)生後10カ月以降の定位的操作の獲得という、ヒトの個体発達の対象操作行動に関する種独自性を踏まえて、この時期のヒト乳児を対象とした、末端投射活動系(対象認知と対象操作)の発達過程の詳細な記述(研究I)と、ヒトに最も近縁な霊長類であるチンパンジーとボノボを対象とした、対象操作行動の比較研究(研究II)を行った。研究Iでは、生後4カ月と生後10カ月という、生後第1と生後第2の新しい発達の原動力の発生の際のいずれもに、新しい制御に一側先行がみられ、やがて左右の機能的対称性に獲得され、それが前後の対称性の成立へ向かい、そのレベルで、転倒しても対称性が保持されるという「対称性原理」への転換が行われて、新たな発達的自由が増大していくとともに、そこに新しい交流の手段が発生してくる様子が確認された。研究IIでは、ヒト乳児の対象操作行動の発達において種独自性をもっとも表すと考えられる、(1)体幹直立性と両手使用性および(2)定位的操作に関して、チンパンジーとボノボの対象操作行動に種差のあることが示唆された。複数の物体を両手で使用したり、環境表面への定位に限定されない、より自由度の高い定位的操作を対象操作におけるボノボ性だとするならば、ボノボの対象操作行動はヒトのそれに近い特性を持つといえる。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)