言語習得期の言語・非言語的ユニットの形成と再構造化に果たす母子相互作用の役割
Project/Area Number |
08202213
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
荻野 美佐子 上智大学, 文学部, 助教授 (70185528)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1996: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Keywords | 母子相互作用 / 言語習得 / 乳児期 / インプット / 語彙獲得 / 非言語行動 / 動作 |
Research Abstract |
初期の言語習得にかかわる言語・非言語的ユニットを明らかにするために、母子の半構造的遊び場面の分析から母子の言語・非言語行動のパターンの抽出を図るとともに、母親による言語・非言語的入力と子ども語彙獲得との関連についての検討を行った。13カ月、20カ月時点での複数の母子の遊びの相互作用場面の観察から、次のことが指摘された。 (1)子どもの側の発話総数、語彙獲得の個人差は大きく、月齢変化も大きいが、母親の発話の発話に含まれる語彙カテゴリの変化は少ない。(2)子どもの13月でみられる言語には事物名称と擬音・擬態語が多く含まれ、20カ月で動作語が増えると共に名称以外の語彙の増加もみられた。(3)母子の相互作用では、言語に対して言語、動作に対して動作というようモードの対称性が認められた。(4)遊び場面での事物や動作を含む全体構造が月齢に伴って変化し、動作で示す機能と密着した言語を母親は用い、子どもは動作に密着した言語と動作を補完する言語を用いることが示された。 これらのことから初期言語における語彙獲得については、ルーティン化されたやりとり構造を地として、動作の音声化と、動作では表出できない場の要素を補完的に提示する音声化が発達し、場の相互作用で母親が担っている役割を子どもが取り入れていくことが指摘された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)