Project/Area Number |
08204201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長谷川 晃 北海道大学, 法学部, 教授 (90164813)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1996: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 解釈 / 法的推論 / 対話 |
Research Abstract |
本研究においては、法解釈のいわば「深層論理」のあり方についての分析が行われた。法律エキスパートシステムを洗練し、その十全な稼働可能性をより高めるためには、深層対話モデルとでも言うべき討論型のメタ推論モデルが重要である。そこでは、メタ推論システムを従前のような一次元的なものとしてではなく、むしろ多次元的で相互交換的なものとして構想することで、深層レヴェルで法解釈が選別されてゆく様を捉えようとする試みがなされた。本研究においては、それらの解釈の論理をさらに多次元的に拡張した場合に、いかなるメタ推論モデルが得られるのか、またそれが現実の法律家の思考プロセスにどのように看取されるのかを探った。特に、元の重点領域研究において既に開発されてきているプログラム論理との相互接合可能性について検討すると共に、対話の論理学を検討した。後者は法的推論は種々の価値判断を含みそれが相互に議論されてコンセンサスが達成されてゆくものであるがゆえに、その全体的な解釈推論構造の解明には、これらの対話的な価値判断を論理化できる論理形式の獲得が不可欠であることを示している。また、このような研究に平行して、明確にされた法解釈の対話的的理解に付け加えて、現実の法律家の思考の再検討も行われた。特に、判断者の徳の理論は重要な心理学的背景を与えるものとし注目された。さらに、解釈の論理が法的推論に対して有する多次元的な価値的方向づけもしくは整合化という深層的な機能のあり方を十分に明確にすることは、さらに法解釈や法的推論が一定の価値理論に相対的であることを含意しており、そのような価値原理の構想なしには、深層論理の議論は完結しないであろうことも確認された。尚、本研究成果の一端は、元の重点領域研究の本年度の成果報告書に「法的推論・判断・価値解釈」として掲載されている。
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