明治初期大新聞・小新聞の語彙変遷に関する数量的分析
Project/Area Number |
08207217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido Tokai University |
Principal Investigator |
土屋 礼子 北海道東海大学, 国際文化学部, 講師 (00275504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 俊彦 北海道東海大学, 国際文化学部, 教授 (00208654)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 数量的分析 / 明治時代 / 新聞 / 語彙 / 文体 |
Research Abstract |
今年度は、本研究の最初の段階として、明治初期の大衆紙、いわゆる小新聞(こしんぶん)の一つである『いろは新聞』の雑報記事を対象に予備的調査を行った。サンプリングの方法としては、一年間に発行されたおよそ三百号のうち、当時の国家の祝祭日、すなわち元始祭(1月3日)、新年宴会(1月5日)、孝明天皇祭(1月30日)、紀元節(2月11日)、神武天皇祭(4月3日)、神賞祭(9月17日)、天長節(11月3日)、新賞祭(11月23日)に発行された計八日分の紙面(休刊等の場合はその前後の号)をデータとすることにした。入力作業が予想以上にかかり、今年度は明治十四年に発行された343号(1月29日)、353号(2月12日)および393号(4月2日)の三日分を入力したにとどまったが、その結果、恋愛関係や親子関係のもつれを扱った人情を主題とする記事とそれ以外の記事で、語彙数および品詞別頻度に差があるという知見が得られた。すなわち、人情関係の記事では平均語数が、各号それぞれ403.8語(343号)、356.5語(353号)、794.3語(393号)であったのに対し、その他の記事の平均語数は、114.2語(343号)、128.7語(353号)、167.0号(393号)と、人情関係の語数が平均して二倍以上多く、また各号における語数の構成非では、人情関係とその他の記事がほぼ半分ずつを占めることが明らかになった。さらに品詞頻度でも、固有名詞、動詞、形容詞、形容動詞、副詞で、人情関係の記事とそれ以外の記事では差異がみられた。この予備的調査により、基本的なデータ処理プログラムが構築され、その有効性が確認されたので、今後はふりがなとの対照、異なり語の採集と使用頻度などの分析を加えながらデータ量を充実させ、明治二十年頃との比較、他紙との比較を進めていく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)