近代東アジアにおける中華秩序の変動過程-その現代的意義-
Project/Area Number |
08208112
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Toyo Eiwa University |
Principal Investigator |
古田 和子 東洋英和女学院大学, 社会科学部, 教授 (20173536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 鳳珍 北九州大学, 外国語学部, 助教授 (90254614)
李 廷江 亜細亜大学, 国際関係学部, 助教授 (80210813)
平野 健一郎 東京大学, 教養学部, 教授 (40012463)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 中華秩序変動 / 近代東アジア / 交易ネットワーク / 文化交流 |
Research Abstract |
(1)本研究は近代東アジアにおける中華秩序の変動過程を歴史的に分析し、その現代的意義を考察するのもである。19世紀末から20世紀初頭の近代への移行期を振り返って、中華秩序の変動過程を具体的に解明する作業は、「脱国民国家」モデルが模索される今、中国ならびにアジアにおける国民国家の意味を問いなおす意味からも、現代中国研究に欠かせない作業である。研究代表者および分担者は、中華秩序の変動をモノの流れ、ヒトの移動、認識の変化などの側面から具体的に検討する作業を行った。 (2)たとえばモノの流れから19世紀末の東アジアを検討する作業の一貫として、上海を中心とする物流の数量データを収集してコンピューターに入力する作業を行った。19世紀後半の上海は世界経済と地域経済を接合する役割を果たすネットワーク・センターとして活発な展開を示しており、そのネットワークは天津や漢口等の中国国内の開港場を結び付けると同時に、東シナ海を越えて長崎や神戸等の日本の開港場、さらには仁川等の朝鮮の開港場へも延びていた。近代東アジア国際関係史は従来、中国、日本、朝鮮という三国間の国家間関係史を中心に議論されてきたが、本研究では東シナ海を巡る東アジア地域圏という空間を設定することによって、中華秩序の変動を地域レベルの地域間関係史を考察するという特徴を有している。本年7月の香港返還によって、香港を中核とする華南経済圏と上海を中心とする地域経済圏の関係にも変化が生じる可能性もある。19世紀後半の東アジアで機能している地域経済圏の実態は、(1)情報の果たす役割、(2)開かれた地域経済圏の重要性、(3)東アジアを国家間関係と同時に地域間関係からも眺める必要性、などの点で現代東アジア域圏研究にも示唆的である。 (3)本年度はグループの研究会活動の他に、研究計画B02班研究会・全体研究集会へ出席して研究交流を行った。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)