ポスト返還期の香港における国民形成と中央・地方関係の展開
Project/Area Number |
08208211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
谷垣 真理子 東海大学, 文学部, 講師 (50227211)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 香港 / 世論調査 / 民主化 |
Research Abstract |
1991年に初めて、香港の国会に当たる立法評議会に直接選挙が導入された。直接選挙による選出議席中、民主派(香港の民主化を主張するグループ)は18議席中16議席を獲得した。続く95年選挙でも、民主派は直接選挙によって選出される20議席中、18議席を獲得した。民主派以外の政治団体は自由党が1議席、親中国派の民主建港連盟が1議席を獲得したにとどまった。立法評議会の全60議席の中では、民主派は26議席を占め、評議会内の一大勢力となった。このような選挙結果は、香港住民の民主化に対する支持を示唆している。 しかしながら、各種世論調査の結果は、香港住民の民主主義観がきわめて防衛的な性格を持つことを同時に示唆している。たとえば、「どのような政府が民主的な政府ですか」という設問に対して、「住民に相談する/諮問を重視する政府」がもっとも頻度の高い回答であった。何より象徴的なのは、政党に対する支持の低さである。民主派陣営の中では、政治家に対する支持率は80%に近いが、政党に対する支持率は70%にようやく達したにすぎない。 ただし、鐘庭燿(香港大学社会科学研究センター:香港で継続的に世論調査を実施)によれば、政党に対する支持率は上昇傾向にある。また、筆者が1996年2月に実施した世論調査では、民主化の将来的な可能性に対する支持が当面の政治制度改革に対する支持を上回った。
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Report
(1 results)
Research Products
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