ミクロ個票データの開示とプライバシーに関する理論的考察とその現実データへの適用について
Project/Area Number |
08209107
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
加納 悟 横浜国立大学, 経済学部, 教授 (50114971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 努 日本銀行調査統計局, 企画調査課, 調査役
李 志東 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (80272871)
瀧 敦弘 富山大学, 経済学部, 助教授 (40216809)
岡村 與子 富山大学, 経済学部, 助教授 (20281016)
大塚 英作 横浜国立大学, 経営学部, 助教授 (20194201)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | Indentification Disclosure / key変量 / Prediction Disclosure / sensitive変量 / uniqueセル |
Research Abstract |
統計行政に対する統計審議会の新中長期構想答申を受け、我が国においてもミクロ個票データの開示に向けての検討が本格的になされはじめた。欧米においてはすでに90年代初頭までに多くの国が個票レベルでの開示に踏み切っていることを考えれば、経済先進国であるはずの我が国はかなり出遅れていることがわかる。本研究の目的は、個票データを開示する際問題となるプライバシー保護について統計的に考察することにある。これまでの研究から明らかになってきた点をまとめれば、以下のとおりである。第一に、二つのタイプのプライバシー問題を区別して議論しなければならない。一つは個体が識別されてしまう場合(個体識別)で、もう一つは個体そのものは識別されないが、プライバシー保護が必要と考えられるsensitiveな変量の値がかなりの精度で予測されてしまう場合(予測識別)である。第二に、ミクロ個票データの開示は、固定ファイル形式であり、データベースのセキュリティや暗号の解読の安全性の問題とは異なる。そこでは、サンプリングが大きな役割を果たすと予想される。第三に、現実のミクロ個票データの開示にあたっては、データセットに含まれるプライバシーにかかわる「リスクの評価」と「保護の仕方」の2点に関する検討が必要である。 本論では、リスクの評価に焦点を絞り、個票データ開示の統計理論的考察を試みた。個体識別のリスク評価に関してはこれまでにもいくつかの研究が公表されている。それらはすべて標本中に含まれるユニークな個体数を推定するという考え方に基づいている。これに対し、本論では適当な仮説を考え、その仮説を検定する際の有意水準によってリスクを測るというアプローチをとった。一方、予測識別のリスクに関する研究はほとんど見あたらない。本論では予測分布の広がりをリスクの一つの尺度とすることを提案した。さらに、特殊なデータ開示方法であるが表形式のミクロ個票データにおける開示リスクについても考えてた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)