熱核反応型超新星の放射性元素からのラインX線ガンマ線
Project/Area Number |
08212209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
藤井 紫麻見 日本大学, 理工学部, 専任講師 (20271520)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 超新星 / 放射性元素 / X線 / ガンマ線 |
Research Abstract |
白色わい星の表面に伴星から物質が降着し高温高密度になると、核融合反応が暴走して白色わい星全体が爆発する。これが熱核反応型超新星である。このような超新星では、超新星1987Aなどのような鉄核の重力崩壊で爆発する超新星に比べて、合成される^<56>Niが10倍近く多い。^<56>Niは平均寿命6日で崩壊して^<56>Coになるが、これが平均寿命111日で崩壊する時に発生する核ガンマ線が、超新星からの放射のエネルギー源となる。しかし熱核反応型超新星の^<56>Ni合成量はまだはっきりわかっていない。 本研究では、発生した核ガンマ線がそのまま超新星表面からラインガンマ線として放射される過程をシミュレーションし、熱核反応型超新星からのラインガンマ線強度を理論的に予測した。例えば現在よく使われている爆発モデルを用いると、放射されるラインガンマ線強度は、距離が1Mpcの超新星で10^<-4>個/sec/cm^2程度になることがわかった。しかし一昨年公表された超新星1991Tのラインガンマ線の観測結果は、距離が17Mcpであるにもかかわらず10^<-6>個/sec/cm^2程度で、合成された^<56>Niの量が現在の爆発モデルの場合よりも数倍大きかった、あるいはガンマ線が超新星物質中で相互作用を受けずに表面から放射されやすかったことが推測される。この特殊な超新星に新たな爆発モデルを考える必要があることがわかった。 現在いくつかのラインガンマ線の観測計画があるが、本研究はこうした観測計画に指針を与え、またその結果が得られれば、本研究による理論予測との比較から^<56>Niの合成量を決定することができる。この結果から、現在まだよくわかっていない熱核反応型超新星の爆発メカニズム、特に衝撃波の伝播による実際の爆発過程とそれに伴う元素合成量を決定することができる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)