Project/Area Number |
08213204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
赤井 久純 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70124873)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1996: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 金属中の不純物 / 束縛曲面 / ケージ運動 / 超微細磁場 / バンド計算 / 電子状態 / 密度汎関数法 / ブリーン関数法 |
Research Abstract |
種々の金属中に打ち込まれた不純物核の見る電子状態および、不純物原子の動的性質を第一原理に基づく電子状態の計算によって調べた.まず、鉄中の格子間位置に打ち込まれた第一周期不純物原子について、不純物核の感じる超微細磁場の系統性を調べるとともに、不純物原子の位置と周辺原子の格子緩和を変数にしたパラメータ空間における束縛曲面を構成した.このようにして得られた束縛曲面の様相から不純物核の安定位置、拡散の可能性を議論した.束縛曲面の極小は四面体位置あるいは八面体位置で格子緩和が10%のあたりに生じている.周期律表で周期の中頃にある元素(B,C,N)では八面体位置が極小になっており周期の両端(Li,Be,O,F)では四面体位置が極小になっている.ただし酸素では両位置でのエネルギー差は大変小さくなっている.束縛曲面のようすから,不純物核は四面体位置-八面体位置-四面体位置を結ぶ谷間の底にそって移動していくことが可能であることが結論される.さらに、局所的拡散の典型的な例としてアルミニウム中の鉄のケージ運動について研究を進めた.<100>ダンベルと<111>ダンベルについて束縛曲面を構成してその可能性を調べた.実験的には<111>混合ダンベルによるケージ運動が実現されていると報告されている.しかし、束縛曲面を見る限りは、拡散が容易に起こる状況にはなっているが対照的な八面体位置がエネルギーの絶対極小であり,実験から言われているように絶対0度に至るまで、鉄とアルミニウムの混合ダンベルが安定状態であるという結論は得られなかった.<100>ダンベルについてもやはり安定状態は得られない.現在計算に用いているスーパーセルが小さいことが問題点の一つであり、実験との不一致が計算規模の不十分や計算方法の不適当さに由来するものかどうか、さらに検討を要する.
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)