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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
分子置換法は同形置換法と並んで現在では有効な解析方法の一つとなっている.しかし,この方法では解析の初期の段階で解の妥当性に不安が伴う.また,全体的に3次構造が一致していても部分的に異なっているためにモデルの構築/修正の段階で苦労することが多い.本研究では,解の判定と部分構造の情報を得るために,Romitプロファイル法を開発した.この方法では,構造の一部を削除した参照分子から計算したR値(Romit)を用いて,構造の部分的一致度Rp(Partial Residual)を次式で定義する.Rp=100(Romit-Rall)/Rall,ここで,Rallは分子全体のR値を表す.Rpが負ならば不一致(削除した部分に異なり)を,正ならば一致を意味する.また,規格化のために参照分子はポリアラニンとする.N末端からC末端までアミノ酸残基を数個ずつ順次削除してRomitを計算し,アミノ酸配列を横軸にしてプロットしたのがRomitプロファイルである.既に分子置換法で解き,精密化が完了したある酵素の結果を用いて,この方法の有効性を検証した.参照分子は種が異なる相同性50%の類縁酵素である.プログラムXPLORを使用してRomitを計算して,Romitプロファイルを作成した.擬解ではRpが正負ランダムに分布するが,正解ではほとんど正に分布する.また,正解において,Rpが負の部分は一次構造上のアミノ酸の挿入箇所や2次構造上のループ部分に相当する.これらは実際の構造と較べて主鎖のコンフォメーションが異なる部分であった.また,アミノ酸がグリシンの部分は負になっている.これらの特徴からRpは置換モデルの正さを反映していることが判明した.この指標は,部分的な構造の一致を提示するので,分子置換の正解を確認するだけでなく,構造ドメインの検出やモデルの構築作業の軽減など,さまざまな面で利用が期待される.
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