時分割ラウエ法による酵素反応機構の動的解析実験法の開発
Project/Area Number |
08214204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
畑 安雄 京都大学, 化学研究所, 助教授 (10127277)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 動的結晶解析 / ラウエ法 / 時分割 / X線結晶解析 / 緑膿菌 / アルカリプロテアーゼ / 亜鉛プロテアーゼ / 反応機構 |
Research Abstract |
これまでに、470アミノ酸残基からなるセラライシン族亜鉛プロテアーゼである緑膿菌アルカリプロテアーゼの立体構造を決定し、N末端側活性ドメインとC末端側βヘリックスドメインの二つのドメインからなる分子であることを明らかにしてきた。結晶学的解析の次の段階として、阻害剤との複合体の構造を解析し、酵素自身の構造と比較して得られる構造変化に基づいて反応機構解析を行うのが通常の方法である。しかし、阻害剤を用いる方法を動的結晶構造解析に適用することはできない。そこで、反応機構を動的結晶解析により研究するため、pHジャンプによるトリガー法の開発を行うことにした。まず、動的解析の可能性を有する四残基からなるペプチド基質Z-A-G-G-L-OHと緑膿菌アルカリプロテアーゼとでペプチド基質を分解されない状態で酵素に結合させたミカエリスーメンテン型複合体結晶をpH5.6で調製し、その構造解析を行った。得られた結果は、pHジャンプ法での時分割結晶解析法を本複合体へ適用して酵素反応過程の動的研究を行うことの可能性を示唆するものであった。そこで、次に本複合体結晶のpHを結晶化pH(5.6)から至適pH(8.0)へジャンプさせて反応トリガーをかけることによって、この方法の適用を試みることにした。しかし、pHをジャンプさせることによる環境変化によって緑膿菌アルカリプロテアーゼの複合体結晶は溶解した。これを避けるためにグルタルアルデヒドによる結晶表面での分子間架橋法を用いることにし、条件検索を行った。その結果、0.25%グルタルアルデヒドに1時間浸漬して架橋した結晶の場合に得られたラウエ像は、この方法で調製した結晶の動的解析への適合性を支持するものであった。従って、この方法を用いれば、pHジャンプで白色ラウエ法による時分割動的結晶解析が可能になることが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)