放射光を用いたラウエトポグラフ法による蛋白結晶の格子欠陥の解析
Project/Area Number |
08214205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
泉 邦英 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50025376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 聡孝 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80263151)
宮地 英紀 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90025388)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1996: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 蛋白結晶 / リゾチーム / ラウエトポグラフ / 放射光 / 格子欠陥 / アステリズム / 線状欠陥 |
Research Abstract |
X線トポグラフ法は生体高分子結晶の格子欠陥の研究には最も適した観察法であり今まで多くの試みがなされたが,結晶の内部構造が識別できる像は得られなかった。結晶は水分を失うとただちに崩壊し,またX線照射により簡単に変成するために試料保持,撮影法に特別の工夫が必要なためである。本研究では多数の反射面のトポグラフが同時に撮影可能なラウエ・トポグラフ法を採用した。試料保持法として,密閉した水雰囲気中にクモの糸での固定する,構造解析で行われているガラスキャピラリーに結晶を微量の溶液で固定する方法,それを発展させキャピラリー中で結晶成長を行い,その後溶液を除去して固定する方法により良い結果を得た。また放射光を利用し高解像度の像を短時間の露出で撮影した。放射光の場合,適当なフィルターで照射損傷を押さえるが,従来有機結晶で使用された金属板ではこれを有効に押さえることはできなかった。本研究では5mm厚の水フィルターの使用により同じ結晶から10枚ものラウエ・トポグラフの撮影に初めて成功した。試料は卵白リゾチームの正方晶,斜方晶結晶を条件を変えて成長させたものを使用した。本研究で初めて得られた結果の主なものを列挙する。1.大多数の結晶は強いアステリズムを示す。2.成長速度が遅いほどアステリズムを示さないことが多い。3.正方晶の方がアステリズムを示さない結晶が成長しやすい。4.結晶の特定方向を向くラセン転位と類似した線状コントラストが観察された。5.アステリズム内に逆格子の原点方向に向いた線状コントラストが観察された。6.正方晶,斜方晶ともに成長に従い歪みが蓄積されクラックが容易に発生する。7.クラックは(001)にほぼ平行で歪みもその面内にある。8.アステリズムを示さない結晶でもC軸方向に均一歪みを示す。9.気-液-固界面に沿い結晶が歪む。10.結晶の成長端の容器に接した部分は強い歪みが生じる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)